佐渡市の「ふるさと納税」と偽観光地化
困窮する過疎地域自治救済の一環として、好みの地域へ納税することで住民税の免除を受けられる仕組みが、ふるさと納税。
もちろん、金にならず、島外者による僅かな釣果を惜しむかのように、
その上、怪我でもされて賠償訴訟を起こされたら堪らんと、釣り客排除を画策し、恥じも外聞も無い、防波堤封鎖柵の張り巡しによって、それを公然と主張しながら、
一方、ただ放置され、或いは切り崩されてきた鉱山の町、相川の歴史景観にあって、宝探しの如く、金の成る木の如く、思いつきの看板欲しさで世界遺産化に躍起になる卑しさ、浅ましさを曝け出す佐渡市も、また、果敢に、それに取り組んでいる。
この佐渡施政の姿を一言でいうなら、偽観光地化。
もっとも、これは今に始まったことじゃない。
上越新幹線開業で島に起こった空前の観光ブーム。
1991年に120万人に達したと言われた年間観光客数が、僅か10年で60万人を割ったのは、正に偽観光地の露呈以外、想像し得ない。
平成24年度、佐渡市へ贈られた、ふるさと納税額が以下。
1.人と自然にやさしい島づくり応援コース 47 / 630,012
2.健やかな暮らしづくり応援コース 22 / 1,023,000
3.活力のあるまちづくり応援コース 14 / 480,000
4.教育と文化の薫るまちづくり応援コース 9 / 375,000
5.市長にお任せコース 56 / 4,484,000
6.世界遺産推進基金コース 30 / 1,386,000
計 178 / 8,378,012
http://www.city.sado.niigata.jp/topics/f_tax0807/index/2012.shtml
県民、島民の血税を、無くても良い上場佐渡汽船へ只管垂れ流してきた新潟県と佐渡市。
そこでの178件による800万円余りが活かされる根拠を、一体、誰が持ち得るのか?
子供らが、お年寄りと島内で唯一共有できる最も身近で貴重な自然相手の娯楽の場を、何が危険で、何が身を助けるかを学ばせる手間さえ惜しみ、一緒くたに封鎖する乱暴さ、無神経さの何処に、本来、各地元で活かされるべき血税へ掌を差し向けられる資格が生じ得るのか?
それとは裏腹に乱立するパチンコ屋の前で、これさえ過疎化の原因だと、どうして気がつかないのか?
子供は所詮出て行く者と、放ったらかしで良いのか?
だから、地域ぐるみの傷害保険さえ掛けずに済ませられるのか?
来島者、最大のリピーターは、佐渡市が目くじらを立てて排除にかかる、県内で只の一度も損害賠償を求めもしていない、釣り人だ。
この現実の前で、
10年間に只の一度も回復しなかった観光客数の前で、
悪化の一途を辿る佐渡汽船運営手法の前で、
一つの粛清さえ望めない島内悪政の前で、
178件の善意が、せめて打ちのめされない事を、僕は祈る。